連載コーナー「百人一首で学ぶアプリ」、32首目はこちらです。
そして今日のアプリはスマホの画面に紅葉をはじめ、桜などを散らすことができるアプリです。
32 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり(春道列樹)
【読み方】やまかはに かせのかけたるしからみは なかれもあへぬ もみちなりけり
【現代語訳】
山の中の小川に風がかけたしがらみ(柵のこと)は、流れきれずたまっている紅葉であった
【こんなアプリいかがでしょう】
「しがらみ」とは「柵」と書きます。
川に杭を並べて竹や柴などを渡し、水の流れをせき止めるものです。
辞書を見ると「引き留め、まとわりつくもの。じゃまをするもの。」という意味もあります。
よく「世間のしがらみから逃れて」という使い方をしますが、
自分の考えとは違った方向に、ひき留められたり、まとわりつかれたり、邪魔をされたり。
そういうのを「しがらみ」というんですね。
この歌を詠んだのは春道列樹(はるみちのつらき)。歌人としてはほぼ無名のこの人は、百人一首に歌を選ばれて、この一首で文学史に残ったというわけです。
山の中の川に、柵(しがらみ)があって、そこに川に流された紅葉が溜まっている様子を読んだもの。
赤や黄色、橙、緑、紅葉も一色ではありません。
風のちょっとした仕業で、色の重なりを楽しんだのでしょうね。
スマホの画面にも紅葉を浮かべてみませんか。
金魚が泳ぐ水面に触れると、水に揺らめく桜や紅葉が現れますよ。
★Wa Kingyo LE(無料:2017年11月現在)
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